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弟が生まれた日

3月11日 弟が生まれた日
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3月10日の午後 私は父が引くリヤカーの後ろについて歩いた
生まれてからずっと住んでいた祖父母の家から 同じ町の新たな場所に引っ越したばかり
5月で5歳を迎える前に 幼稚園への通園が始まる直前のこの日 出産を控えた母と布団一式を載せ 再び祖父母の家に向かった
翌朝 目が覚めたら “待望の男の子”が生まれていた!!
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父に抱かれている赤ちゃんが弟
(向かって左は姉のように育った叔母)
その6年後にもう1人妹が生まれるまで 私と妹と弟の3人は 団子のようにひとかたまりになって遊び尽くす日々を過ごした

たった1人の男の子として育った弟
母手作りの月光仮面の扮装をこよなく愛し 自在に駆け回っていた男の子
父から魚釣りを教わった時 どうしてもミミズを釣り針につけられずにいる私に代わり サクッとやってくれた弟が眩しかった

言葉では厳しく躾けた父が たった一度だけ手をあげたことがあった
私と妹と弟 3人がごちゃごちゃと悪ふざけをしていた夜 怒った父が弟に手をあげた
今でもはっきり覚えている 
悪いのは私達姉妹だったのに 男の子だからという理由で 弟だけが 叩かれた!
申し訳無さでいっぱいになり 以来 きょうだい喧嘩に 弟を絶対に巻き込まないと 決めた

私が遠くで大学生活を始めた時 まだ中学生だった弟から手紙を一通貰い 本当に本当に嬉しかった

父の訃報にアメリカから飛んで帰った私に 弟は欠かさず月曜日と金曜日にメールをくれ 毎日電話で話している母の様子を知らせてくれた
それは16年経った今でも 欠かさず続いている

晩年は蘭の栽培に情熱を注ぎ 毎日二度欠かさず気温を記録し続けていた父の几帳面な姿に重なる

弟なのに兄のような優しさと無言の理解を示し続けてくれる有難く 心強い存在

“あの日” 母と春休みを過ごし 帰路についていた弟は 大地震の影響で羽田空港に缶詰めになっていた
自宅では誕生日を祝うべく家族が待つ中 きっと騒ぎ立てる事もなく 辛抱強く最善を尽くしていたのだろう

多くの人々の癒えるはずの無い深い悲しみに思いを馳せる日


それでも私は 弟の誕生日をひっそりと祝う
いつもいつも 優しさをありがとう!

明日からの日々も 元気で過ごしてね

お誕生日 おめでとう!!












by mother-of-pearl | 2019-03-11 18:32 | 心に響く
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