16年経った今日

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Andrew Wyethの晩年の作品Snow Hill(テレビの画面から)


2001年9月11日
その日 私はアメリカ行きの航空券の手配ができた と電話を貰った

幼かった子供達が描いた絵などを荷物にまとめ
祖母から譲り受けた足踏みオルガンも荷造りしてもらい
大切な荷物は既に運送屋さんに託した後だった

その夜 テレビの画面に写し出された光景は
私自身には 行く手を塞がれてしまう絶望以外の何物でも無かった

16年前の出来事の更に前 1998年の夏 東海岸のフィラデルフィア郊外で8週間を過ごした後
達成感と脱力感を抱えたまま 束の間の息抜きに訪れたニューヨーク

広大なメトロポリタン美術館に圧倒され 憧れのグッゲンハイム美術館やMOMAを心から楽しんだ後
こじんまりしたワイエス美術館にも足を運んだ

有名な『クリスティーナの世界 』は勿論のこと 一枚一枚の絵に描かれた繊細な筆致に引き込まれた

さざ波を描いた絵や 枯れた草むらに下がる烏など 今も強く心に残っている

偶々 日曜日美術館でワイエスを取り上げていて
懐かしく眺めていると
彼の晩年の作品が映し出され 思わず画面の写真を撮った

かつて彼が描いた様々な人が そこに再び表され皆で輪になって踊っている と言う
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右奥には若い頃の彼自身も登場しているらしい

様々な想いを抱き 新しき国を目指して来た人々で成り立っている国が この絵に描かれている

ひとつの柱を中心に 皆が円を描いて踊るワイエスの絵を

複雑な想いで眺めていた

クリスティーナが細い腕で 一歩一歩目指した丘の上の家を
ワイエスの墓標が静かに見つめ続けていることも知った
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怒涛のような日々を乗り越えて海を渡った後
今はまたこちら側での暮らしも取り戻し
度々 大海原を往き来する暮らし

多様性を 世界のどこよりも具現化している国であるはずなのに

--------言うは易し 行なうは難し--------------

16年の歳月の重さを 改めて振り返っている日
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by mother-of-pearl | 2017-09-11 23:03 | 心に響く | Trackback | Comments(4)
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Commented by unburro at 2017-09-12 00:19
日曜美術館、見ました。
ワイエスは、大好きな画家です。
大好き、では足りない、影響を受けました。

京都国立近代美術館で開催された大規模な展覧会に行き
時を忘れて会場を、ぐるぐる見てまわり、
疲れて座り込みそうになった記憶があるので、
あれは、いつだっただろう、と調べたら、なんと、
1974年!でした。

ひえ〜ッ、43年前!
Commented by mother-of-pearl at 2017-09-12 10:05
unburroさま

ワイエス、お好きでしたか!!私も〜!
彼の絵画をじっくり堪能するには、長い時間もあっという間ですね。
草むらの草一本、鳥の羽根一枚も凄い迫力でした。
....風を描ける人なんだ!と感動したものです。

クリスティーナ、は余りにも有名ですが、私はヘルガも好きです。

9.11を目前にした日曜日美術館は、意識的にあの絵を紹介した、と思えてなりません。

それにしても1974年とは!小学生の校外学習??(^_−)−☆
Commented by unburro at 2017-09-13 11:19
いやいや^ ^;
多分、高校に入ったばかりの頃です(笑)

友人たちと一緒ではなく、1人で行った記憶があるので
もう少し後だったか、と思っていたのですが、意外と早かった。
一番多感な時期に、良い出会いをしていたのです。

高校から大学までの数年間、
このアンドリュー・ワイエスと、演劇のピーター・ブルックに、
心を奪われていました。
印象派もシュールレアリズムも大好きだけれど、
そんな歴史的な過去の人ではなく、同時代に凄い人がいるのだ!
海の向こうで、生きていて、絵を描いたりしているんだ!
と、躍り上るほど、ワクワクしたのです。
(ピカソだって、ジョン・レノンだって、生きていたんですが、
ちょっと、違う感覚…)

テレビの劇場中継で、ピーター・ブルックのロイヤル・シェイクスピア・カンパニー
「真夏の夜の夢」を見た時、本当に、夜中に家を飛び出して、
すごい!スゴイ!と言いながら、近所の公園で飛び回りました(笑)

ワイエスを見た後も、帰りのバスに乗らずに、
しばらく歩いて帰ったほど興奮していた、と、さっき思い出しました。

Commented by mother-of-pearl at 2017-09-13 19:01
unburroさま

ワイエスとピーターブルックに心酔した青春!
なんとカッコイイお嬢さんなのでしょう!!

ピーター、と聞いて私も、、と思って訂正。私はグリーナウェイの方でした。
しかも映画なので受動的。
深く深く読み解いていく聡明なお嬢さんを思い浮かべています。

私は、と言えば高校生の時、ツタンカーメンに恋し、大学生の頃出会ったピエール•ブレーズに片思い。
毎日素うどんを食べて貯めたお金で買ったLPは勿体無くて開封できず、、、。
今は再生装置が無くなり飾っています。
アホ、でしょ?
(ストラビンスキーの『春の祭典』です)
東京でのコンサートもあったのに、チケットが高くて行けず、コンサート当日、会場前のカフェに座り
『あ〜同じ空気を吸ってる〜🎶』と心の中で駆け回ってました!!

なんだか、ちょっぴり行動パターンが似ていますね。

、、、て、ワイエスはどこに行った?f^_^;)
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