静かに息を吸い込み 目を凝らす こんな所で出会えるなんて・・・・・! 何気なく車を止めた アメリカ中部の小さな町の美術館で 一期一会の出会い チベット密教の砂絵曼荼羅が そこにあった (砂絵 曼荼羅: チベット密教では、瞑想を行いながら曼荼羅(砂曼荼羅)を描くという修行が存在する。 土の上に金属の漏斗を使用して着色した石英の粉を少しずつ撒き、曼荼羅を描く。 完成した曼荼羅は一定の手順に従って壊し(破檀)、使用した砂を川に流す。 作成から川に流すことまでが修行とされている。 =Wikipedia より抜粋 ) 描いた砂絵を壊し 川に流すところまでを含めて修行が完成すると言われていることは聞いていた 残存するはずの無い砂絵がここに存在していること自体 本来の意味からかけ離れてしまっている事は否めない 一瞬 宗教への無理解という思いが脳裏をかすめる・・・・ けれど 純粋な瞳の輝きで語り続けるボランティアの女性の話に耳を傾けるうちに 思いが変わり始めた 地方都市での美術館創設に関わった人々の熱意 遠くチベットから僧侶たちを招待し 砂絵マンダラの実演を間近にみた後 異例中の異例として保存を認めてもらった 美術館への砂絵の移動という不可能を成し遂げたストーリーが心に響いた 砂絵を覆うテントの中で 数週間に亘り 空中に噴霧したヘアスプレーが砂絵の上に降り 固まるのを待つ・・・ 気の遠くなるような作業を繰り返した ボランティアの女性の話が終わった時 館内ツアーに加わった見知らぬ人々の間に 拍手が湧き上がった!! それはまるで形を変えた修行の完結・・・・・私には そう思えた 全てを時の流れに戻そうとするアジアの心と 形として物として残したいアメリカの心 良し悪しの判断の枠を超えた心のあり方の違いを 螺旋階段を下りながら 考えていた “目玉となる有名作品”はなくても 世界の美術文化を少しずつ きちんと順を追って学ぶことのできるこの小さな美術館が 好ましく思えた いつも どこかにユーモアを忘れず 明るい笑顔で通り過ぎる人達 常設展示の作品は撮影してもよい という懐の深さ 武力と資力でかき集めてきた古い歴史を持つ国々の美術館とは違い とにかく人々に世界を見せたい そんな気持ちに溢れている アメリカの美術館が この頃 少し 好きになった あら!こんな所にず~っといたの? これからも?? 微笑む彼女の足元に ちょっとだけ私の足跡も残してきた 古いビール工場を通り抜ける風のように 二度と訪れることのない街を歩き 振り返ることもなく去る快さ 大海原の流木暮らし ////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
by mother-of-pearl
| 2011-10-10 09:28
| 美しいもの
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